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噛み合わせが悪くなる原因
さて、噛み合わせは生まれつき固定されたものではなく、以下のような原因で悪くなっていきます。悪化することはあっても、自然によくなるものではありません。 その原因を大別しますと、上記の3種類になると思います。
- 悪い歯科治療
- 歯科治療に対する誤った知識
- 悪い姿勢や悪い癖
- 異常な全身状態
1.悪い歯科治療
まず悪い歯科治療ですが、いろいろなケースが考えられます。
代表的な例としてはむし歯を削ってつめる、かぶせる治療を繰り返すことです。実は噛み合わせを元の状態のまま維持するのは非常に難しいのです。難しい理論はここでは触れませんが、歯を削る治療を行うと、その時点から噛み合わせは変化していきます。通常は自然には良い噛み合わせには戻っていかないので、削ってつめたり、かぶせたりするたびに、噛み合わせが悪くなると考えてよいと思います。
歯を削り、型をとり、技工士さんが精確に製作してくれた被せをそのままつけたりすると、患者さんは必ず高くて噛めないと訴えられます。これは削って歯型をとった時点と比べて、出来上がったかぶせや詰め物を装着する時点で、すでに噛み合わせが大きく変わっているからに他なりません。この場合、多くの歯科医は削って噛み合わせを見かけ上、患者さんが気にならないように削る(これをほとんどの歯医者は咬合調整といいますが)はずです。削って高さを低くして装着することで、噛み合わせの変化(すなわち悪化)を固定させてしまうことになります。つまり、咬合調整することで、噛み合わせを悪化させてしまっています。
2.歯科治療に対する誤った知識
歯科治療に対する誤った知識ですが、これは患者さんが歯科治療に対して誤った知識を植えつけられていることにあります。むし歯になれば削って治せばよいくらいにしか、歯科治療を考えておられない方が多すぎるからです。本当は歯を削るととんでもないことになるということがわかっておられないからだと思います。
学校検診でむし歯になると、なかば強制的な“歯科受診のすすめ”なる紙が渡され、多くの児童・生徒は削られにいきます。最近でこそ、要観察むし歯(CO)なる概念が導入され、なんでもかんでも削る先生は減ってはきてはいますが、患者さんが、治療出来高制の報酬システムの上でなりたった健康保険で治療をうける以上、まだまだ、歯を削って利益を得ようとする歯科医師が多いのは否めません。つまり、不必要あるいは過剰な治療がされているのが現状です。 ちなみに、1本の歯を削ると、時間の経過とともに、以下のようにからだまで悪影響が及んで病気引き起こしてしまいます。人によって違いますが、単に遅いか早いかの違いです。
なぜ、歯を削られないように予防されないのか?それは歯を削る怖さを知らない、無知からきているのです。ですから、削られないように歯の予防処置を行うことが重要です。
3.悪い姿勢や悪い癖
噛み合わせと姿勢は密接な関係があります
正しい姿勢は頭の位置が重要ですが、頭の位置を決定しているのが下顎の位置です。
たとえば、日本人では、出歯の方は上の歯が前に出ているよりも、下の歯が後ろに後退しるケースがほとんどです。このような場合、後方重心といって、のけぞるような姿勢をとりがちになります。靴のかかとがすり減るような方は後方重心の姿勢をとっていますので要注意です。このような方は奥歯が抜けたまま放置してあったり、奥歯がすり減って噛み合わせが低くなっていることが多いです。
逆に受け口の方は猫背傾向があり、さきほどの後方重心の方とは逆になります。
その他、左右に噛み合わせが傾いていると、首が傾きやすくなり、頭・顔や体部に歪みが生じやすくなります。
このように下顎は頭蓋骨にぶら下がっているため、その位置は姿勢に大きく影響します。
四足歩行から進化して二足歩行を獲得した人類は重い頭を支えないといけないのですが、頭の位置(すなわち姿勢)が重要な意味をもつことになりますが、その頭の位置を決定するのが下顎の位置と考えられます。つまり、姿勢によって下顎の位置が変わるため、噛み合わせも変わってきます。
逆も真なりです。下顎の位置が悪い(つまり、噛み合わせが悪い状態)と、頭の位置が悪くなり、その結果、からだ全体へ悪影響を及ぼすこととなります。噛み合わせと姿勢はきってもきれない関係です。
4.異常な全身状態
口は全身の鏡ともいわれ、多くの病気の前駆症状がまず初めに出ることが多いのです。昔の名医は必ず口の中、特に舌やのどをしっかりとみられ、診断するための情報としていました。
このように、全身状態が悪いと、口や歯にいろいろな問題を生じさせてしまいますが、それを患者さんは単なる歯の異常を考えたり、場合によっては無視したり、放置してしまっています。
たとえば、銀歯の一種であるアマルガムのようなからだに毒性のあるものを歯につめている方は全身からの反応として、歯ぎしりや喰いしばりの頻度が多かったり、される際の強度も大きいことが経験的に言われていますし、私の日常の診療でよく遭遇致します。
口は全身の鏡ともいわれ、多くの病気の前駆症状がまず初めに出ることが多いのです。昔の名医は必ず口の中、特に舌やのどをしっかりとみられ、診断するための情報としていました。
このように、全身状態が悪いと、口や歯にいろいろな問題を生じさせてしまいますが、それを患者さんは単なる歯の異常を考えたり、場合によっては無視したり、放置してしまっています。
たとえば、銀歯の一種であるアマルガムのようなからだに毒性のあるものを歯につめている方は全身からの反応として、歯ぎしりや喰いしばりの頻度が多かったり、される際の強度も大きいことが経験的に言われていますし、私の日常の診療でよく遭遇致します。
アマルガムから放出ないし遊離される水銀やその他の有害金属は体内の生きていくために必要な酵素活動を邪魔したり、良好な腸内の細菌叢を破壊し、腸内環境の悪化を起こすことが報告されています。
こういった体内にたまった重金属はお口を閉じたり、開けたりする筋肉(咀嚼筋群といいます)や首や頭などに付着する筋肉に過緊張を起こしてしまいます。歯ぎしりや喰いしばりの治療のためにボトリヌス菌のエキスを注射して、筋肉の過緊張をとる治療があり有効だと報告されていますが、それはそういう理由からです。
当院では異常な筋緊張を起こす大元の原因である有害な重金属の蓄積や排せつ状態を調べ、蓄積がみられる場合は積極的な有害重金属の排毒(キレーション)を行なっています。
噛み合わせがそれほど悪くないのに、肩こり、頭痛、腰痛、めまい、疲労感が強い、日中のひどい眠気、その他睡眠障害、甘い物がやめれない、冷え性などの不定愁訴をお持ちの方は④の原因からのアプローチが必要な方です。