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噛み合わせ例外的治療方法

必要な検査と治療方法

1. 腸内環境の悪化状態を調べる検査

ビフィズス菌、乳酸菌の量、カンジタの有無、食物繊維が、乳酸菌で発酵されて、正常な環境が作れているかがわかります。

腸内の悪化状態を知る検査

a. 総合便検査(CSA検査)

b. 有機酸検査

以下の項目を調べることができます

1.尿中の代謝副産物から体内の生化学的バランス

2.体内の細胞活動、腸内フローラの代謝産物の分析

3.ビタミンやホルモン代謝、エネルギー循環機能、腸壁の状態、神経伝達レベルおよび筋機能の状態

4.とりわけ、従来の方法では検知できなかったイーストや細菌の繁殖状態をチェックできます。

c. 食物アレルギー検査

腸内環境をみる鍵になる検査のひとつです。できればIgE検査と一緒に行うのが効果的です。

2. 重金属の体内蓄積状態を知る検査

a. 毛髪ミネラル検査

毛髪測定で、重金属の蓄積とミネラルの体内代謝をみることができます。

b. 尿中重金属排泄検査

DMSAというデトックスサプリメントを使用した後に尿をためていただき、その一部を検体として尿中の重金属やミネラル量を測定することで、排泄能力をみます。

3. 副腎疲労の状態を知る検査

血中 DHEA-S
唾液コルチゾール検査(4回)

4. 血液検査

血液一般検査項目:WBC、RBC、血色素量、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、血小板、網赤血球、白血球像、Fe、TIBC、UIBC、フェリチン、HDL-C、 LDL-C、TG、FFA、GOT、GPT、γ-GTP、ALP、TTT、T-BIL、D-BIL、LDH、Ch-E、TP、蛋白分画、BUN、Cre、Na、K、Cl、Ca、P、 Mg、CPK、UA、AMY、CRP定量、亜鉛、銅、BS、HBA1C、インスリン、ヘリコバクタピロリ抗体、IgG、ペプシノーゲンⅠ、 ペプシノーゲンⅡ、ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ比


それぞれの検査結果が単に正常値あるいは正常域にあるだけでは必ずしも正常に機能しているとは考えません。たとえ正常域に入っていても、別の代謝機能などでは異常であることも多いのです。他の検査項目の結果と合わせて総合的に診断できるかが重要になってきます。

尿一般検査

血中ビタミンD濃度(25OHD)

なお、上記のさまざまな検査は一般血液検査を除き、日本の検査会社では取扱がないものがほとんどですので、外国に検査を依頼しますので、検査は健康保険ではできないことをご理解ください。

治療方法

検査結果を読み取り、どのような病態であるかを分析します。日本の健康保険医療では病気でないと診断される場合が多い(だから症状があるのに治らない)ので、薬を飲んで治すという発想では治せません。
多くの場合、普段お取りになっている食事に問題が隠れていることが多いのです。毎日、しっかりと摂れていないといけないものが摂れていないだけで、症状が出ている場合も少なくありません。

1. 単なる栄養素の摂取不足

不足している栄養素を見つけだし、まず食事で摂取できるように指導させていただきます。食事の改善を行ったにも関わらず、症状の改善が見られない場合や、改善が遅い場合、良質なサプリメントで栄養素の補充を行うこともあります。

2. 各種栄養素の欠乏があり、複雑な病態になっている場合

不足している栄養素が複数あるいは、そもそも1種類だけであっても深刻な状態まで進んでしまうと、複雑な病態を引き起こしてしまいます。
前述の、①腸内環境 ②重金属の体内蓄積状況 ③副腎疲労の状態 ④甲状腺機能の状態 を調べて、どの順番で改善していくかを決定します。

  • 上咽頭炎とは、花粉症、風邪、喫煙等が原因でなりやすい鼻と喉の中間部分の炎症です。しっかり治療されないと、慢性化することも多く、慢性炎症の巣窟になっている可能性があります。のどかぜ程度とたかをくくっていると、大変な病気を背負い込むことにもなりかねません。のごの違和感、たん、鼻のつまりなどあれば、軽くてもきっちと治す必要があります。
  • 歯周病: 歯茎の中にバイオフィルムという、細菌の巣ができ。この中で増殖した細菌が、歯周組織だけでなく、体内をめぐり、いろいろな病気を引き起こすことがいわれています。動脈硬化、肥満などの間接的な原因でもあり、歯周組織内の慢性炎症によって、不定愁訴が発生している可能背も高い。
  • 根尖病巣: むし歯が深く、神経を取った場合、通常は無菌的に神経除去し、その後を細菌が侵入したり、繁殖したりしないように、充填されますが、そもそも、神経の除去、充填時に侵入した細菌が、条件が整うと根の奥で増殖していきます。根の先端で菌が増殖しても症状を感じることは少なく、やはり慢性の炎症が続くことにまります。

このお口まわりの、のど、歯ぐきの中や、歯の根の先の炎症を抑えることが非常に重要です。これらの部位に発生した慢性炎症は当初は症状が軽微なため、ほとんど気づかれず放置されているケースがほとんどです。

3.慢性炎症の未治療

体内にある慢性炎症が、意外に多くの不定愁訴や、難治性疾患の根本原因の一つといわれています。
扁桃腺を慢性的に腫らしている方に、腎臓の病気を引き起こすことがよく知られています。扁桃腺を切除することで。腎臓の病気が完全に治った症例も多く報告されています。このように、病気が起こっている部位と違う部位での慢性炎症が、遠隔の部位で病気を起こしていることがだんだんとわかってきました。
現在注目されているのは、上咽頭の炎症、歯周病そして根尖病巣です。ほとんどがお口の周辺にあることにお気付きでしょうか?

例1)数年前より疲れやすく、頭痛、肩こりもひどかったが、最近は休日しっかり休養をとっても、仕事にも支障がでてきた。起床時の倦怠感がひどく、午前中は立ちくらみもありほぼ起き上がれなくなってしまい、勤務も欠勤しがちになり、いろいろな医療機関を回り、検査、診察を受けるが異常なしと言われる。うつの診断もされショック。(45歳、Aさん)

Aさんは歯並びも悪く、噛み合わせも悪いため、いろいろな医科病院で治らないのは歯科の病気、すなわち噛み合わせの悪いのが原因だと思われ当院を受診されました。

噛み合わせの検査を行なったところ、顎のずれは軽微であり、本人が最も治癒を望んでいる、疲労感や立ちくらみなどの症状は噛み合わせの悪さよりも、むしろ腸内環境の悪化や副腎疲労の病態が原因と考えられ、こちらの病態の改善をお勧めさせていただきました。
検査後、腸内環境の改善→歯の金属の詰め物の除去→副腎疲労の改善 の順に、食事や生活習慣の指導を中心に治療したところ、半年後には肩こりなどの一部の症状以外、ほぼ消失したため、現在職場に復帰することができました。

例2)Bさんは栄養療法で有名なクリニックに1年半ほど通院されておられましたが、一時的、部分的な症状の改善はみられるものの、全般的には不定愁訴の多くに改善がみられず、最終的に当院に来られた方です(58才、男性)。

Bさんも数多くの不定愁訴の症状をお持ちでしたが、最も困っておられたのが、眠れないということでした。床にはいってもなかなか寝付けないし、また寝入っても一晩に何度も起きてしまうという症状をお持ちでした。そのためか、昼間も体調が悪く、頭痛や肩こりにも悩まされていました。
腸、副腎、ストレスなどのいろいろな検査をされ、そのたびにいろいろなサプリメントを処方され服用されていましたが、睡眠障害の問題はまったく改善されなかったそうです。

この方のお口の中を拝見すると、歯の中に多数の銀の詰め物がありました。とりわけ問題なのはその大部分がアマルガムという水銀ガスを発生する最悪の詰め物が除去されず、そのまま放置されたまま、栄養クリニックで加療されていたことです。
また、2つ目の問題は今まで治療を受けていた歯科ではむし歯の治療だけをその都度行っただけですので、その結果、噛み合わせが完全に悪くなってしまっていました。口を開閉すると、顎が左に大きくずれるだけでなく、顎の関節にも雑音や違和感(少し痛み)を感じる状態(顎関節症)でした。さらに、顎の骨には骨の膨隆(骨隆起)や、特徴的な歯の欠損(クサビ状欠損)など、夜間喰いしばりの傾向がはっきりとみられました。
顎は睡眠時には後ろに下がり、肥満体ではありませんが、いびきや無呼吸を起こしてると推測できました。

この患者さんにはすぐに噛み合わせ治療をお受けになっていただき、1か月後には睡眠障害の改善がみられるようになりました。その後、①噛み合わせ治療 →②金属の詰め物の除去と体内からの重金属のデトックス →③栄養療法 の順で治療を受けていただき、今はお口のメインテナンスで当院に定期的に通っていただいています。

(例1)と(例2)の症例をご覧いただきまして、治療のフローチャートで示しましたように、さまざまな不定愁訴などの症状を改善するためには、噛み合わせ治療およびそれ以外の治療のどちらを優先して進めていくかを決める必要があります。

本来、噛み合わせの問題を治していかないといけないのに、その他の治療をしたために、症状が改善しなかったり、またはその逆のケースもあります。どちらのケースも患者さん、医療機関双方に多大の時間的・経済的損失を生じることになります。

当院では歯科が専門ですが、患者さんの症状を、単に噛み合わせの問題に結びつけることなく、口と全身を総合的にみて最善の治療を検討させていただいています。多くの不定愁訴などの症状は医科と歯科の双方にまたがって発症していることも多く、どちらかだけからのアプローチでは治癒は見込めないことも多くなっています。

医科と歯科が緊密に連携をとって治療を進めることが望ましいのですが、現状ではこういう考えはまったく行われていませんし、両者の間には高い壁があるのが事実です。

噛み合わせの問題が不定愁訴の主な原因でない場合、すなわち、治療のフローチャートにおける噛み合わせ治療以外の治療に相当する部分も、医師でないとできないような治療内容はほとんどありませんので、歯科からのアプローチが容易に行えています。すなわち、通常の医科の医療行為のような手術や、薬剤治療ではなく、患者さんの免疫力やホメオスタシス(生体の恒常性)維持しようとする力を復活させ、その患者の細胞が有する自然治癒力を最大にするための、食事内容や生活習慣の改善という手法を用いて、様々な症状を改善しています。

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